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全日本卓球狂騒曲

  • 執筆者の写真: Ctree
    Ctree
  • 2020年1月22日
  • 読了時間: 4分

コーチから「全日本波乱が起きましたね、Cさん、まさか見に行ってないですよね」と言われたので「見に行きました。日帰りで。」と答えたらビックリされた。

「1人でですか」「はい。だれも一緒に行ってくれませんでした。」「でしょうね。」


卓球のコーチや仲間からはおどろかれるけど、サッカーサポの人たちからは特に驚かれない。「行ければ行くよね。」




全日本卓球が男女とも初優勝で10代だったことから、若い人の台頭とか、世代交代だとか、そんなことが語られたりしてる。


𠮷田くんが準決勝で、ベテランだから落ち着いています、とテレビの解説で言われていて、そうなんだね、同い年の丹羽くんも、もうベテランなんだ。


25歳はベテランなんだ、と悲しくなった。


リオでは一番年下の丹羽くんだったけど、あの時で21歳で年下扱いだった。


そして怖いもの知らずの戸上くんとの対戦で、速さへの対応に苦しむ丹羽くんを見て、丹羽くんも十分速いけど、更に速い世界、この10代の卓球っていうのは、何なんだろうと思う。


追われる立場で、負ければ叩かれる、代表選手のつらさも、見ていて悔しくてしょうがない。


丹羽くんにも、将来、現役を終える日がくるけど、どんな風にそれに向き合って、決断するんだろうかと、先の事(であってほしい)を想像して、うるうるする始末だ。



PHOTO:卓レポ 2013全日本 丹羽くん高校3年生での優勝



酒井くんが大学2年生の時のインタビューで言っていた、速いと言われていた自分でさえも、今、若い子たちの速さに押されていると・・・(大学2年の酒井くんが言ったんだよ、今でさえ速いのにさ)



で、ふとヨーロッパを見ると


いやいや、ドイツでは、アラフォーのボルも、30歳を超えたオフチャロフも元気だし、フランジスカは26歳くらいで若手エース的な言い方をされている。


30手前で脂がのって、さらに30を越しても、輝いている。


この日本との違いはなんなんだろう。


ベテランがトップ維持できないのを、日本ってなんか許さないような風潮があるのかな、それを選手も感じ取るのか、引退が早いと思う。


今は、Tリーグができたから、健太さんのような代表だけは引退するとか、水谷さんも代表は五輪で最後と言ってるから、少し前に比べたらいいのかな。


早熟をもてはやす文化は、ベテランにはきつい。


でも、私には、超攻撃的戸上くん、宇田くんの卓球はしびれるけど、あの二人の試合を見た後に、丹羽くんと健太さんの試合をもう一度見てみたけど、なんてエレガントなんだと思った。


もう一度見たい、何度でも見たい、と思った。


丹羽くんのプレーで有名な、方博とのノーモーションブロックも、梁ジンクンのカットブロックや右手プレーも、負けた試合だ。


負けた試合だろうがなんだろうが、そのワンプレーの美しさやカッコよさが残る、そういうのが丹羽くんや健太さんの卓球だと思う。


私は、10代の活躍をひがむつもりは全然ないんだけど、全日本でいえば、勝つための最新の卓球っていうのは、10代に発揮される動体視力や反射力を、極限まで極めた戦いな気がして、それはそれで狂気を帯びていて刹那的な魅力はあって圧倒されるんだけど、人は必ず年をとってハタチを超え大人になっていき、卓球がまた変わってくる。


そのとき、その活躍した10代の子はスターダムから置いて行かれて、また年下の決まった年代の層だけがトップに行くような感じになるんだろうか。


っていうのが、この先繰り返していく感じになると、すごくつまんないなと思う。


でも伊藤さんが言っていたみたいに、ベテランと呼ばれる人も若手の活躍をそうそう許さない、そんな大波小波の揺れる中で、テッペンをとる攻防がこれからも見れるなら面白い。


丹羽くんは高3で全日本をとったけど、「勢いだった」とどっかのインタビューで言っていて、「水谷さんに次はボコボコにされると思います」とまで言った。


その後、21歳でリオ五輪、25歳の今、東京五輪への出場を決めた。


全日本優勝のタイトルからは遠ざかっていても、それがなんなんだろう、こんなに実績を残している、それが事実だ。




全日本は歴史のある素晴らしい大会だけど、神々しく祭り上げる大会じゃなくて、次の代表クラスを狙う若手登竜門の位置づけであると同時に、本当の意味の世界卓球最終選考会。


世間的にそういう認知になってほしいと今回ほど思ったことはない。


特に、代表選手にとっては、そういうとらえ方でいいんじゃないの、そう思わないと心を病むよ。


マスコミは勝てないといじめるしさー。


すでに代表クラスは、世界で戦うスケジュールの中で、世界ランキングをあげるための戦いをしている。全日本のスケジュールは、とっくに馴染んでいない。






全日本の枠なんか超えて、ワールドワイドの中で、丹羽くんは輝いてきたし、これからも輝いてほしいし、絶対輝くと思っているよ





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