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応援する日々も上書きされていく

  • 執筆者の写真: Ctree
    Ctree
  • 2020年6月10日
  • 読了時間: 4分

探したい記事があって自分の過去のTwitterを見返していたら、2年前の春、

2018世界卓球団体戦、日本男子が準々決勝で韓国に敗れた日のツイートがあった。


それは敗戦直後に武井壮さんが一発目に発したツイートに対して、コメントしてるものだった。


武井さんのツイートはこんな感じだった。


「男子は準々決勝で敗れた。これはベンチワークの差が大きかったような気がする。女子チームの一体感や盛り上がりが男子チームにもあれば...」


このツイートに、SNSは「そうだそうだ」と盛り上がり、戦犯探し。

だれがベンチを盛り下げたんだ、丹羽と健太だろう。

健太はこんな大事な時にリップクリームを塗っていると、わざわざスクショする人も。

丹羽は応援やる気なし見てると腹が立つ、と下を向くタイミングの丹羽くんをスクショしたり。


怒りの矛先が欲しい人たちの、恐ろしい姿を見た。


Photo:千葉格さんのコメント→自分も負けた直後なのに負けて落ち込んでる張本くんに真っ先に声をかけた丹羽くんは優しい先輩だな

私のコメントは

「14歳のエース、負傷を追いながら覚悟を決めたエース、倉嶋監督も諸刃の剣と分かっていてそれに賭けた。選手はぎりぎりのところで戦い続けたんです。武井さんのような卓球番組を持つ立場の人なら、せめてこの6日間の死闘を終えた選手達全員に、もっと違う言葉を発して欲しかった」

なんて言ってる。

武井さんが読むか読まないかわかんないけど、これではあまりに選手が可哀想すぎて、言いたかったんだろうな。

(よくぞ言ってくれたというフォロワーさんたちにどんなに励まされたことか😢)


きっと今だったら、武井さんも違う言葉をツイートしただろう。

もっとちゃんと戦力を分析して、冷静に語ってくれるだろう。


当時、武井さんは卓球番組を始めて初の世界卓球だったし、健太さんや丹羽くんの性格や卓球のことをあまり知らなかった。


なにより韓国が強かった。

あの時の日本は、誰がヨンシクと対戦しても勝てなかったんじゃないかな。

おそらくジャンウジンにも。

韓国はそういう3点だった。


あの時のチームジャパンはシャイな選手が多くて、確かに真晴さんや神さんのような盛り上げキャラがいなかったから(しいて言えば大島くんか)ベンチワークのことは分かるけど、メンバーを選んだのは監督だし。


でもそれ以前に、やっぱり韓国の強さを忘れちゃいけなくて、倉嶋さんが「男子は、女子とは状況が違っていて、中国以外でのライバル国が多い」と言ってたにもかかわらず、メディアは日本と中国の2強と報じてた。

その当時のメンバーが、今はTリーグで活躍していたり、やはりあの韓国チームはすごかったんだと改めて思う。


日本のメディアは、お祭りのように打倒中国今度こそ金メダルと騒ぎすぎて、それに卓球ファンは乗せられて、銀メダルまでは当たり前ぐらいなムードがあった。


そして、メダルを逃した、という現実に、期待に応えられなかった選手達を叩いて傷つけるようなコメントがSNSにあふれた。


帰国会見。女子は別部屋で華やかに。男子は立っての囲み取材。みんな反省の言葉ばかり。見てて辛かった


丹羽くんの姿を追っていれば、チームメイトを思いやっていたことなんて、全然分かる。

カメラマンの千葉格さんは、レンズを通してちゃんとそれを見ていて、丹羽くんが思いやりのある人だとコメントしてくれた。


もちろん、健太さんだって、すごくベンチで応援していた。

ちゃんと見てりゃわかる。




この大会で、個人的にはSNSから距離を置くきっかけになったなあ。

自分がSNSに向いていないことも分かった。




でも、この当時の辛さを知るファンも、いまや少数派になってきた。

正直言うと、もう丹羽くんファンにこんな思いをしてほしくない。(健太さんファンにも)

ほんと悲しかった。人間不信みたいになった。

あれを最初で最後にしてほしい、こんな経験をもう誰もしないでほしいという気持ちが強いよ。




そして、当時を知ってるファンでさえ、去年の五輪選考レースがあまりに過酷すぎて、それで記憶が上書きされて、2018は遠い思い出になってきている人もいるかもしれない。。。




応援する日々やその時の気持ちって、時の流れで、どんどん上書きされていくのか、あんなに辛かったけど、少し靄がかかってきたような感じになっていくのか。


それはつまり、時が癒す、ということなのかな。


なによりも、丹羽くん本人が、自分自身がとても辛かったはずのこの団体戦を、今、前向きに昇華している。


丹羽くんの器の大きさに、お前は齢をとっているだけで全然ダメじゃん、と、自分の小ささを恥ずかしく思うよ。






そんな去年の過酷な五輪選考レースを抜けて、いよいよ今年オリンピックだと思ったら、今度はコロナがきた。





こんなの、想像できなかった。





スポーツが「空白」になるっていう、見たことない風景が、突然やってきた。



毎年毎年の出来事が激しいんだけど、それらが上書きされながらたどり着いた今年2020に、有事ってやつがきた。


もう何がなんだかわかんないよ。





練習すら出来ない日々が続き、ようやくこれから始動できそう、というところだ。



ITTVより

でも一つだけ分かるのは、応援する選手が存在しているってだけで、私がどんなに救われて、勇気をもらって、助けられているかってこと。




あなたが上を向くから、私も上を向こうという気持ちになること。






やっぱり、丹羽くん、ありがとうっていう言葉しか出ないよ。




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